2002-01-01から1日間の記事一覧

120.ライラック

玄関先に植えられた ライラックのように 僕の心を くすぐっている 切ない初恋 友達として 育った日々が 進むこころの 邪魔をしている とても近くに 感じているのに 距離は詰まるかなぁ 君は僕を見て 目を合わせ 磊落に笑う 手を伸ばせば もう届きそうなのに …

119.傍若無人な犬

妙になついて 足に擦り寄ってきたワン公 大股で歩く僕の後ろを トコトコついてくる そんな姿がかわいくて 僕は立ち止まって 頭を撫でて 家に連れ帰ったんだ 汚れてた身体をキレイに流し しっぽを振って餌にがっつき始める 拾ったのは気まぐれだったけど なん…

118.僕が僕じゃなかったら

星の数ほど人がいて 奇跡にすがりつく世界で 僕が 僕じゃなかったら もしもあの時 間違って 今の道を歩むことなく 僕が 僕じゃなかったら 君に出会えなかった 今の幸せを得られなかった 知らない未来を 生きていたかもしれなかった 可能性の先に 僕がいるの…

117.Heart's cry

聞いて欲しい 僕が何を思い 何を考えてるのかを 言って欲しい 蔑むような目で 何を考えてるのかと いつだって間違ったことに 気づけるほど器用な僕じゃない 泥沼にはまってもがいて 泣いて叫んで助けを求めてる 大声で 心から 「助けてよ」 叫んでる 立ち上…

116.飛行

僕は空を飛ぶことが出来る これを聞くと 人は 馬鹿じゃねえのと 罵る そんなの オマエらが 羽の存在に気づいていないだけで 飛ぼうと思えば 誰だって 空を飛べるというのに だけど 僕は空を飛ぼうとはしない それは 全く意味のないことだから ほら やっぱり…

115.singing before dawn

夜明け前の誰もいない街を 遠くへと謡いながら歩いた 通りすぎてく まばらな車も 静かに 世界へ溶け込んで 昼間と違う世界 紛れ込んだみたい 新しい表情で出迎えてくれる 空が白くなってく 街が目覚め始める 無人の始発列車も 朝帰りの人たちも ゆっくり動き…

114.Guilt

歯車が狂いだした きっかけは些細なこと でも それが僕にとっては とりわけ重い足枷となって 僕から自由を奪ってゆく 僕を締め付けてゆく 冷たい憎悪の中にある 小さな罪悪感が 僕を切り裂いてゆく 呪いがかかった悪魔のように こんなはずじゃなかった どう…

113.ロンド

とどまることなく 流れ続ける 誰も知らない 祈りの行方 ここから飛び出した 君を想う気持ちは ふたたび またここへ 帰ってくると 今日も想い 廻り廻るロンド 流れついた涯に 寄り添うとも 過去と未来 廻り廻るロンド 何気ない三拍子が運ぶ恋 一度は諦めた 憧…

112.ラララ

さわやかな風が吹く 明るいこの部屋で 今日はこのまま もうしばらく 眠っていよう シーツ越しに撫でていく 風が気持ちよくて きっと楽しい 夢が見れるはずさ たまの休日くらい 時間を忘れて 朝寝坊するのも いいじゃない ラララ 遠くに聞こえる テレビの音も…

111.左手

ある日突然 気になったんだ 何で左手があるのかって 別に人間がシンメトリーである 必要なんてないのになぁ 僕は一日 考えたんだ そこにどんな意味があるのかって 別になんてことない 考えるだけ 無駄だってことなんだ 一番大好きな人とつなぐのは ほら 決ま…

110.colors

心の中身 全て歌にしよう いろんな絵の具で 色つけて 明るく 空まで響かせよう いろんな形の 花びらを どんな色してるかなんて 歌ってみればわかるよ 伝えようとする 気持ちが そのまま色になる 優しさなら白を 労いなら青を 感謝なら黄色を 愛しさなら赤を …

109.second place

どうしても どうしても あと少しだけ粘れない セーフティーリードだと 安心したら その時点で きっと負けが決まったり もう大丈夫なんて 高笑いしたら 寸前でかわされたり だけど どこかで 今のポジションに満足してる 気がする 勝てそうなのに 不思議に思っ…

108.レイ

墜ちてゆく 深い場所から きっと 見上げた空は 蒼い なにもかも 抱えるように そっと 笑えるだろうか 解のない 方程式も いつか ほどけるのなら 僕は ありのまま 愛せるように 日々を 過せるだろうか たゆたう闇に 恐れを抱き 前に進めなくなっても 遥かな空…

107.光と闇のソネット

僕は この心にたゆたう 無限に続く 光と闇の中で いったい いつ どうやって 何を 手に入れるだろうか 光は 決して弛まず 飽きることなく いつまでも いつまでも 行く先を示しているように 闇は 決して澱まず まるで 逃げ道を塞ぐために いつも姿を変えている…

106.闇のソネット

左側にある扉を 勢いよく開け放つと 闇が広がっていた 電灯のスイッチを探してみても どこにあるかわからなかった 闇に目が慣れてくると そこは自分の部屋であるらしかった いつも使っているはずのものも どこにあるかわからなかった とても濃い闇に ふと 違…

105.光のソネット

眼鏡のレンズ越しに ゆるゆると 射し込む光は 酔わすような波長を持って 僕をなだめすかすのだ 翳した手の隙間から きらきらと 瞬く光は 確かなエネルギーを持って 僕に語りかけるのだ しかし 僕はまだ 光が何を伝えようとしてるのか 理解出来ないでいるのだ…

104.陽射しの優しい部屋

たまの休みには 面倒なこと忘れて のんびりお昼寝しよう 暖かなお陽様の光を いっぱい受け止めて 心の洗濯をしよう ほんのり甘いクッキーと ほんのり苦い紅茶と 口いっぱいにほおばって ごろんと転がっていよう 優しい陽射しに包まれた窓辺は 赤ちゃんに返っ…

103.ぼやく大人

自分の後悔を 無念を 誰かに押し付けようとして ぼやく大人 道行く人は 誰も聞かない 今でも 自分が一番偉いと思い込んでいる 自分の理想が この世の全てだと そんなわけあるはずないのに 道行く人は 誰も聞かない 誰にも届かないぼやきを ずっと 誰かに投げ…

102.人よ

人よ なぜそんなにイライラしているのだ 世界中で 思い通りになることなど ただのひとつもないというのに 人よ なぜそんなに焦っているのだ 私たちは 猟師に追われた 野うさぎなどではないというのに ホラ! また そうやって すぐに舌打ちする いったい 何が…

101.子守唄

くるくる回る 大きなゆりかご 世界はまるで 止まらない夢だね だけど お母さんの胸に かわる安らぎはない 抱かれて 穏やかに眠れ 大きな母の 大きな腕に 包まれたやさしさ 静かな 子守唄 大きな父の 大きな背中 ベビーカーよりもっと 広い世界だよ