Sonnet

(Sonnet22)言葉がうまく出ないとき

言葉がうまく出ないとき 私の心は平穏だ あえて言葉にする必要のない 穏やかな愛情に満ちているからだ 言葉がうまく出ないとき 私の心は不安だ 素直に 想いを言葉に出来ない もどかしさが私を駆り立てるのだ あせらなくてもいいよ 言葉は零れてくるものだか…

182.言葉

わたくしから言葉を取り上げたら 残るものはでくのぼう 愛をささやくこともできない 夢を語ることもできない 大事に大事に言葉をしまいこんだら まるでわたくしはあかんぼう 泣くことしかできない 笑うことしかできない だからいつでもわたくしは 頭の中を言…

175.灰

あなたと一緒に燃やした楽譜は 白い灰となり天へと昇っていった あなたの魂に私の心を乗せて 遥か彼方へと飛んでいった 音楽に彩られたあなたの魂が 寂しくならないように 地上で歌う私の歌を 私の心をあなたにあげるのだ 音符に見える作曲者の想い 書き込ま…

163.Red

僕の心の中に溜まっていく ものはなんだろう それは赤い太陽 それは赤いまぼろし 僕の心の中を流れている ものはなんだろう それは赤い溶岩 それは赤い水しぶき とても とても病んでいる とても とても憎んでいる そんなこと望んではいない 赤い赤い爛れた感…

162.Confidence

僕は 自分を信じたい そして 人に信じられたい ひとりでいるのは辛いから 誰かと 触れ合っていたい 今 自分を信じたい そして 人を信じたい 映っている自分の像を 確かめて 自分のものにしたい 自分がないのは不安だから 作り上げて欲しいのだ 不安を消し去…

156.左手

僕は左手で自分のかじを取る 真っすぐ進むには また 途中で曲がるには この小さな力が必要なのだ 僕は左手で操作する 自分の意思を伝えるために 大きな流れを掴むために その絶妙な感覚が必要なのだ でも たまに僕は平衡を失う 自分を操れなくなる そうした…

152.1マイル

1マイルを93秒で駆け抜けた さすがに疲れたように ふぅ ふぅ と 肩で息をしていた 1マイルを101秒で駆け抜けた まだまだへっちゃらさ と 得意げにしているけど まだ半分までしか来てないんだよ 1マイルを20分かけて歩いた 並んだ影を眺めながら いつものスピ…

149.Limitless

ひとりで生きられる人間など この世には存在しない ひとりで生きていては 自分さえも守れないからだ 人は誰も守るべきものがいて強くなれる 守るべきものに助けられ さらに強くなれる 真っすぐに向けられる愛情で 互いに守られているはずだ 愛の深さに限りな…

147.ねぇ

ねぇ と 君に呼びかけた なぁに? と 答えが返ってきた ねぇ と 君に呼びかけたのは ただ 呼んでみたかっただけだった なら 名前を呼べばよかっただろうに 少し 恥ずかしかったのだ でも 君の返事からも 視線からも しっかりと愛を感じた

146.Happiness

君に幸せを与えられるなら 君が幸せを感じてくれるなら それでいいや 僕も幸せだから 君と笑えるなら 僕も幸せだから 笑えばいいや 幸せだから 泣きたい時は 僕の前で泣けばいいよ 抱きしめていてあげるから 最後は二人で笑えるよ だって I bring you joy and…

144.ナチュラリスト

君の自然な笑顔が好き 化粧とは無縁の 素顔で笑っている 飾らない君が好き 僕の目を覗き込んで 微笑む君の ありのままの君が見える その笑顔が好き 心のままに寄り添うから 僕は身ぐるみ預けられる 自然なままの自分がいる ピタリと僕を愛してくれるから あ…

142.手負いのガンマン

僕はもう君を狙えない 流れゆく血に 沈みかけているから おそらくもう君には届かない 引鉄に添えた指も震えて動かない 僕はこうして生きてきた 銃を右手に 手綱を左手に 最後に君を撃ち抜いて 途絶えたならば本望だろう しかし 残った傷は 自分で思っていた…

141.Your love

君が見つけてくれた 隠れてただけの素直な気持ち どこにいても 捜し出してくれる 愛の深さに 僕は気づいた 誰もその想いの丈を計れない わかっているのは ただひとつなんだ 君が僕を愛してくれてるということ あの頃の僕と比べれば 随分と柔らかくなった そ…

126.Sweeten bitter

そのとき 淹れたアールグレイは 砂糖もいれてないのに やけに甘かった 普段より 少し長めに じっくり蒸らしたはずなのに やけに甘かった そんなに甘くなる要素なんて どこにあったのか 聞こえてきたのは ニワトリの鳴き声と 寒々しいギターの音と 無機質な機…

110.colors

心の中身 全て歌にしよう いろんな絵の具で 色つけて 明るく 空まで響かせよう いろんな形の 花びらを どんな色してるかなんて 歌ってみればわかるよ 伝えようとする 気持ちが そのまま色になる 優しさなら白を 労いなら青を 感謝なら黄色を 愛しさなら赤を …

107.光と闇のソネット

僕は この心にたゆたう 無限に続く 光と闇の中で いったい いつ どうやって 何を 手に入れるだろうか 光は 決して弛まず 飽きることなく いつまでも いつまでも 行く先を示しているように 闇は 決して澱まず まるで 逃げ道を塞ぐために いつも姿を変えている…

106.闇のソネット

左側にある扉を 勢いよく開け放つと 闇が広がっていた 電灯のスイッチを探してみても どこにあるかわからなかった 闇に目が慣れてくると そこは自分の部屋であるらしかった いつも使っているはずのものも どこにあるかわからなかった とても濃い闇に ふと 違…

105.光のソネット

眼鏡のレンズ越しに ゆるゆると 射し込む光は 酔わすような波長を持って 僕をなだめすかすのだ 翳した手の隙間から きらきらと 瞬く光は 確かなエネルギーを持って 僕に語りかけるのだ しかし 僕はまだ 光が何を伝えようとしてるのか 理解出来ないでいるのだ…

104.陽射しの優しい部屋

たまの休みには 面倒なこと忘れて のんびりお昼寝しよう 暖かなお陽様の光を いっぱい受け止めて 心の洗濯をしよう ほんのり甘いクッキーと ほんのり苦い紅茶と 口いっぱいにほおばって ごろんと転がっていよう 優しい陽射しに包まれた窓辺は 赤ちゃんに返っ…

62.言の葉に込めた想い

僕が送る たった一つの言の葉を 僕が送った たった一つの言の葉を 全て消してしまおう 全て消してしまおう 僕がもらう たった一つの言の葉を 僕がもらった たった一つの言の葉を 全て消してしまおう 全て消してしまおう その言葉の一つ一つは 僕の心に 僕の…

40.True mind

人は涙を流して その悲しみを忘れるのだろう 人は涙を流して その苦しみを忘れるのだろう 泣くことを忘れた 一人の天使が 今 その瞳を開こうとしている 夢から覚めようとしている 涙を その瞳に湛え 顔いっぱいに笑顔をたずさえ 夢から覚めようとしている 「…