115.singing before dawn

夜明け前の誰もいない街を
遠くへと謡いながら歩いた
通りすぎてく まばらな車も
静かに 世界へ溶け込んで


昼間と違う世界
紛れ込んだみたい
新しい表情で出迎えてくれる


空が白くなってく
街が目覚め始める
無人の始発列車も
朝帰りの人たちも ゆっくり動き出す
僕のステージも終わる
歌は遠く霞んで
いつもの世界の顔が
静かにあたりを包んで
闇を追い出してく


時の狭間を
飛び越えたみたいに
再構築された世界を
僕は 謡いながら
すれ違ってゆく


空が白くなってく
街が目覚め始める
無人の改札口も
働くサラリーマンも ゆっくり動き出す
僕のステージも終わる
歌は遠く霞んで
いつもの世界の顔が
静かにあたりを包んで
闇を追い出してく