119.傍若無人な犬

妙になついて 足に擦り寄ってきたワン公
大股で歩く僕の後ろを トコトコついてくる
そんな姿がかわいくて 僕は立ち止まって
頭を撫でて 家に連れ帰ったんだ


汚れてた身体をキレイに流し
しっぽを振って餌にがっつき始める
拾ったのは気まぐれだったけど
なんだか愛らしい
理由もわからぬまま


気がついたら 徐々に
引き込まれてしまう
どうしようもなく こいつのペースに
食事をねだり いつもじゃれあって
愛されていなきゃ 生きられんのです


飼い主に似るなんて言うけれど
ホントに似てきた
誰もいないかのように のんびり散歩する
こんなときは自分の世界の住人で
僕の相手をさせるのも 一苦労です


気がついたら ひとり
走っていってしまう
どうしようもなく 傍若無人な犬です
激しく甘えて 時に遠ざかって
愛を確かめなきゃ 生きられんのです


気がついたら 徐々に
引き込まれてしまう
どうしようもなく こいつのペースに
それが染み付く 僕もそうやって
愛されていなきゃ 生きられんのです