160.Replaced

いつからだったか
僕は将棋を指さなくなった
あれだけやっていたのに
相手がいないからじゃなく
それに費やす熱意が失せてしまっているからだ


いつからだったか
僕は投球練習をやらなくなった
草野球くらいは続けようと
コントロールに磨きをかけていたのに
今では投げ方すらあやふやになっているのだ


昔あれだけ熱中していたものが
遠く霞んでゆくみたいに
普段の習慣から薄れてゆく


一時は僕の青春だったはずなのに
こんなにもあっさり
僕は捨てられるのだろうか


もう一度やり直すには
あまりにも変わりすぎていて
思い出すことが難しいのだ
あの頃の仲間はいない
広かった空き地もない