174.前向き

前向きに生きるしか能のない人が
前向きに生きることができなくなったら
いったいどのように生きるというのだろうか


それは真っ暗な闇の中を
目をつぶって歩いていくようなものだろうか
それとも
真っ青な空の下を
思い切り走り続けるようなものだろうか


頭の後ろには目がついていないから
前を向いたままでは後ろに下がれない


後ろを向いて前に進むとしたら
それは後ろ向きに生きているのだろうか


前向きに生きていても
きっと先は見えていないのだから
息を切らすまで
走り続ければいい