137.レイルウェイ

突然 世界が切り離されたように遠くなった
目には見えているのに 薄れていくんだ
周りとの繋がりが絶たれていくようで
僕も どこかぼやけているんだ


防波堤の先から 飛び込んだはずの海も
確かな色を 湛えていない


気づいたら 時空の狭間に
取り残されたレイルウェイ
行き先は「不明」のまま
ただひたすらに走っていた


取り戻すために


あまりにも希薄になった僕を
思い出すのは簡単だろう
それだけではただの記憶
存在は曖昧なまま


それならば いっそ潔く消えてしまおう


いつまでも 時空の狭間を
抜け出せないレイルウェイ
駅も見つからないから
ブレーキさえかからなかった


気づいたら 時空の狭間に
取り残されたレイルウェイ
行き先は「不明」のまま
ただひたすらに走っていた


取り戻すために