133.ひとりの日曜日

普段より
速いペースで
改札口へ向かう
人の波をかきわけ
思ったより
混んでいない
座席を詰めて座る
知らない人と並ぶ


府中から 帰る南武線
ひとり 西日浴びて
ぼんやりしたら
ここは もうすぐ登戸
やっと 半分まで
来ても 物足りないはずさ
ひとりの日曜日


いつも隣にいる
君がいないだけで
寂しさ溢れた


府中から 帰る南武線
ひとり 目を細めて
考え込んだ
ここは 既に溝ノ口
触れる 隣の人の肩は
妙に ゴツゴツしているよ
ひとりの日曜日


部活帰りの学生たちが
たくさん乗ってくる
降りていく人を
眺めながら
その向こうを見つめた


府中から 帰る南武線
ひとり 眠りに落ちて
気がついたら
ここは もうすぐ川崎
いつも 見ている景色と違うのは
気のせいじゃないんだ
ひとりの日曜日