131.目覚まし時計

静かな部屋の中に
使われなくなった目覚まし時計の
針の音だけが響いていた


蛍光灯の灯りの下で
一人の若者が
何をするわけでもなく佇んでいた


色のなかった世界に
窓の外から 車のクラクションの音が
舞い込んだ


じっと動かない若者の上を
時計は静かに
時を刻み続けた